ドワーフとは
Wikipediaよれば以下である。
人間よりも少し背丈の小さい伝説上の種族。民話、神話、童話、ファンタジー作品などに登場することが多い。高度な鍛冶や工芸技能をもつとされており、外観は男女共に背丈が低いものの力強く屈強で、特に男性はその多くで長い髭をたくわえているとされる。ドワーフ小人、矮人、侏儒、あるいは単に小人と訳されることもある。
Wikipedia
一般的にイメージするのは背が低く、ガッシリした男性で長いひげを持っている、人間より長く生きているというものである。ここで各神話や作品におけるドワーフを比較してみたい。
北欧神話のドワーフ
北欧神話はキリスト教化以前にスカンディナヴィア人が有していた土着の宗教・信仰・伝説から成っている。スカンディナヴィアは現在のスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの位置するところである。
北欧神話には闇の妖精ドヴェルグというものが出てくる。ドヴェルグは生まれた当時はうじ虫だったが、神々の決定により人に似た姿と知性を与えらる。男性のみの種族で地中を好み、岩穴で暮らす。太陽の光を浴びると石になる、もしくは体が弾け飛んで死ぬといわれる。
北欧神話では神々と対立する立場で登場するが、対価に応じて神々の象徴となる魔力のある武器や宝の制作をする優れた匠としても描かれ、神々の持っている様々な武器や宝がドヴェルグが作ったもの。マーベルコミックで人気なマイティ・ソーのモデルとなった北欧神話最強の戦神である雷神トールが持つハンマーはドワーフが作製した。
北欧神話に出てくる「闇のエルフ」もドワーフのイメージと共通する点がある。「闇のエルフ」はは醜く性格は邪悪。岩や丘の中に住む小さい生き物。魔力や霊力のある武器を作る鍛治職として優れており、外見は背が低く、手が長いのに対して足が短く、直立すると手が地面につく。人間にいたずらをする機会を伺う邪悪な存在。
【エルフとは】ルーツや寿命など、神話や小説、アニメの中のエルフについて
9世紀から13世紀にかけて成立したとされる、北欧神話や北欧の英雄伝説について記載のある歌謡集、「古エッダ」の最初に書かれている「巫女の予言」という詩の中では名前の接尾にエルフの意味を持であり「-álfar」をもつドヴェルグも出てくる。
ドイツにおけるドワーフ
『グリム童話』に収載されたドイツ民話白雪姫に登場する「7人の小人」はドワーフである。白雪姫の7人の小人も地下で穴を掘り銅や金、鉱石をさがしている。
民間伝承の中の妖精ドワーフは更に奇怪な姿をしており、その姿は醜く、老人のような皮膚を持ち、立った姿勢のままで腕が地面に付くほど長いとも言われる。3歳で成人し、7歳で老人になるといわれる。また、女性が存在しない為、新しいドワーフは石から作られるともいわれる。
ドワーフに似ているもの
スイスの錬金術師パラケルスス(1493年~1541年)が提唱した四大精霊のうち、大地を司る精霊・妖精を「ノーム」という。
ノームは身長12cmほどの小人で長いひげを生やした老人のような風貌をしており、派手な色の服と三角帽子を身につけている。手先が器用で知性も高く、優れた細工品を作る。主に地中で生活しており、鉱脈の場所などにも詳しい。
指輪物語のドワーフ
指輪物語(The Lord of the Rings)は、イギリスのJ・R・R・トールキンによる長編小説。ロードオブザリングは映画でも有名ですね。
J・R・R・トールキンは現在のドワーフのイメージを確立した。人間より背が低く平均身長120cm~150cm程度で非常にがっしりとしている。肌は比較的色白で、髪の色は赤、黒、焦げ茶など。男女共に鬚を伸ばしており、編み込んでいることも多い。ドワーフ以外の種族には、外見や声からドワーフの男女を判別することは非常に困難。肉体的にも精神的にも非常に頑強で、耐久力も持久力も非常に高い。
恩も仇も簡単に忘れることがなく、他人をなかなか信用しようとしないが、本質的には誠実である。
地下や山岳をくり貫いて造った住居に住むことを好む。ドワーフの住居の扉は閉まっていると目に見えず、秘密を知らなければドワーフ自身ですら発見することも開けることもできない。
寿命は250歳前後、300歳を越える者もいる。身体は3、40年程で大人と言えるまでに成長するが、社会的に成人と見なされるにはさらに倍近い年月を要する。婚姻の適齢期も同様で、夫婦となった男女の多くは90~110歳の間に第一子をもうける。その後も若く壮健な時期が長く続き、死期を向かえる直前の数年間に老化が加速する。
ドワーフの女性は全ドワーフの1/3以下と言われ、表に出ることは滅多にない。ドワーフは結婚を一生に一度しかしないが、男性は仕事に没頭するあまり結婚を望まない者がとても多く、女性の方も結婚する意志が全くなかったり、意中の相手以外と添い遂げるよりは独身を貫くことが多い。そのためドワーフの婚姻率は低く、男性の中で結婚する者は1/3以下である。
地下の洞窟など暗闇でも目が利き、方角を見失うことがない。採掘と工芸の技術に非常に長け、多くの見事な武具や美しい装飾品を作り出し、時にはその品に魔法の力を込めることもある。
死者を石で築いた墓の中に葬る習慣を持ち、死体を放置したり、土葬や火葬にすることを好まない。秘密主義者であり、自分達について他の種族に語ることはめったにない。
ダンジョンズ&ドラゴンズのドワーフ
1974年に制作・販売されたアメリカのファンタジー・テーブルトークRPGである。世界で最初のロールプレイングゲーム(RPG)であり、他のRPGの原点ともなり、最も広くプレイされた作品。
この作品のドワーフは身長130センチ前後で、体重は横幅が広いため人間の成人と同程度である。男性のドワーフには禿頭の者も多く、長いあごひげを優雅に編んでいる。女性のドワーフは、氏族と祖先を表す形に髪を編む。ドワーフは人間と同じくらいの年齢で成年に達するが、老化はずいぶんと遅く、150歳を過ぎるまでは壮健なままで200歳まで生きるドワーフもいる。
日本のドワーフ
数多くのメイド・イン・ジャパン作品でドワーフが登場する。全部を紹介することはとても不可能なのでここでは一部を紹介する。
ロードス島戦記のドワーフ
安田均原案・水野良著による日本のファンタジー小説で「呪われた島」ロードスを舞台に、英雄たちの冒険を描いている。1998年にはテレビアニメ放映もされた。腕利きの細工師であり、屈強な戦士であるドワーフが出てくる。
異世界のんびり農家のドワーフ
内藤騎之介による日本のライトノベル、2017年から刊行されている。2023年にはアニメ化もされた。エルダードワーフという種族が出てくる。見た目は背が低く長く髭を蓄えた、がっちりした体型である。戦闘能力は高く、酒造りが得意。女性のドワーフにも髭が生えている。
葬送のフリーレンのドワーフ
2020年より連載をしている漫画。2023年にはアニメ化もされた。主人公と一緒に魔王を倒した仲間としてドワーフが出てくる。背が低く、長い髪と長い髭を蓄えた男性。口数は多くなく、とても力が強い斧で戦う戦士。ドワーフの寿命は300年ほど。
現代ドイツのドワーフ
怒矮夫風雲録のドワーフ
2003年にドイツ生まれの丸楠 早逸(マルクス・ハイツ)によって書かれた作品。ドイツ・ファンタジー文学賞 2年連続受賞の人気作品です。作品名の怒矮夫がドワーフのこと。人間に育てられ、誰とも戦ったことがない、本好きの怒矮夫と遭遇した敵は、片っ端から倒すことが生き甲斐の怒矮夫族最強の双子の戦士の3人のストーリーである。
まとめ
ドワーフを紹介したがいかがでしたでしょうか。男性だけの種族であったり、女性も居たりと多少の違いはありますが、鍛冶などが得意で背が低いという点は共通しています。ドワーフが主人公のドイツのファンタジー小説、怒矮夫風雲録は映画化もあるそうなので楽しみです。今後も様々な作品でドワーフが見れそうです。